武夷岩茶の四大名叢とは、大紅袍・鉄羅漢・白鶏冠・水金亀の四種です。清代・咸豊年間に武夷山の在来種「菜茶」の中から丹念に選び抜かれた、最高峰の単株名茶です。

それぞれ異なる個性を持つ四種

大紅袍は四大名叢の中でもっとも名高く、「茶王」と称されます。母樹はわずか六株、天心岩・九龍窠の岩壁に育ち、年間収穫量は一斤にも満たないほど希少です。枝幹はしっかりとして、若葉は紫がかった赤みを帯び、仕上がったお茶は香り高く味わい深く、岩韻が際立っています。

鉄羅漢は武夷山においてもっとも古い文献記録を持つ名叢で、宋代にはすでにその名が知られていました。慧苑岩の鬼洞付近に自生し、樹高があり葉は細やかで艶やか。飲むと苔を思わせる風味があり、喉を通るときに軽い刺激を感じた後、波のように広がる深い余韻が続きます。

白鶏冠は四大名叢の中でも見た目の個性が際立ちます。若葉は薄く絹のようにやわらかく、頂芽は淡い黄色でやや垂れ、白い産毛が鶏冠のように見えることからその名がつきました。仕上がったお茶は谷間に漂う蘭のような清らかな香りで、軽焙煎のものは香りが澄んでいて爽やか、熟成が進むと豊かな果実香に変化します。

水金亀は枝が亀の甲羅のように交差して広がる樹形が特徴です。大雨の後、洪水によって牛欄坑の水路脇に流れ着いたところを発見され、その後寺院間で所有権をめぐる訴訟が起きたことから「官司茶(訴訟茶)」とも呼ばれます。仕上がりは清雅な風味で、茶湯は穏やかで余韻の長い甘みが続きます。

名叢が意味すること

四大名叢はいずれも武夷山の在来種・菜茶の実生群の中から、茶師が数百から数千株の茶樹を繰り返し選び抜いたものです。香り・葉の形・生育環境などの特徴をもとに「花名」が与えられ、その中からさらに選ばれた精鋭が「名叢」と認められます。名叢に名を連ねるということは、品質が安定して優れ、岩韻がはっきりと感じられるということを意味します。

四種それぞれに異なる個性があります。じっくりと時間をかけて、ひとつひとつ味わってみてください。

The link has been copied!