同じ茶葉なのに、家で淹れると茶館ほど香りが立たない——そんな経験はないだろうか?問題は茶葉でも茶器でもなく、水の沸かし方にあるかもしれない。水を沸かすことは一見簡単だが、実は大いに学問がある。水を沸かし過ぎると活性を失い、沸かし足りないと茶味を十分に抽出できない。高山烏龍茶を全体に心地よく、香りと甘みを余すところなく引き出すには?鍵は水の沸かし方と器具にある。

良い水を使っても、扱いを知らなければ水の泡

高山烏龍茶湯の純粋な味わいは、茶の先天的な育成だけでなく、茶を淹れる水との「天の配合」があって初めて相乗効果を生む。しかし、良い水を使っても、扱い方を知らず、無理に水を沸かし過ぎて活性がなくなってしまえば、それも水の泡だ。

水を上手く沸かす鍵は、水の老嫩を観察することにある。古書に記された先人の経験は、現代人には完全には体験しがたいが、それでも辿る道はある。水の老嫩をどう判断するか知りたいだろうか?これから、簡単で実用的な方法——水の音を聴く——をお伝えしよう。

水は嫩を要し老を忌む:一沸の水が最も嫩

水を沸かす原則はシンプル:嫩を要し老を忌む。一沸の水が最も嫩で、お茶を淹れるのに最適だ。しかし「一沸」とは何か?水が一沸に達したとどう判断するのか?

ここに実用的なコツがある:ガスコンロで水を沸かす時、大火は使わず、まず小火、中段で大火、小沸に至ったら即座に火を止める。このような火加減のコントロールにより、水は最良の活性を保つことができる。

水の音を聴き、水の老嫩を見分ける

より簡単な方法は:水の音を聴くことだ。湯沸かし器から流水の音が聞こえ、水珠が蟹の目のように転がるのが見えたら、水は沸いており、お茶を淹れられる合図だ。

この「蟹眼」という形容は非常に的確だ——水珠が小さく密集し、蟹の目のように水中で転がる、これが一沸の状態だ。この時の水温はちょうど良く、活性が最も優れており、高山烏龍茶を淹れるのに最も茶葉の香りと味わいを引き出せる。

もし加熱を続ければ、水は小沸から大きく沸騰し、この時水は「老いて」しまう。沸かし過ぎた水は活性を失い、お茶を淹れても茶湯は平板で、高山烏龍茶本来の起伏に富んだ味わいを表現できない。

火加減のコントロール:小火で始め、大火で加速、小沸で止める

具体的な水の沸かし方はこうだ:

まず、小火で始める。小火なら水温がゆっくり上昇し、一気に沸かし過ぎることがない。

次に、中段で大火。水温がある程度まで上がったら、大火で加速し、水を素早く沸点に到達させる。

最後に、小沸に至ったら即座に火を止める。水珠が蟹眼のように転がり、流水の音が聞こえたら、それが最良のタイミングだ。

この過程には少し練習が必要だが、コツを掴めば、お茶を淹れるのに最適な「嫩水」を沸かせるようになる。

水の活性が、茶の表現を決める

なぜ水の老嫩がこれほど重要なのか?水の活性が茶葉の抽出効果に直接影響するからだ。嫩水は活性が良く、茶葉の香りと味わいを十分に引き出し、高山烏龍茶の特色を完全に表現できる。

老水は過度に加熱されたため、水分子の構造が変化し、活性を失っている。老水でお茶を淹れるのは、疲れた水で茶葉を目覚めさせるようなもので、効果は当然大きく損なわれる。

これが、同じ茶葉でも、ある人が淹れると香り豊かで、ある人が淹れると平板な理由だ。違いは茶葉自体にではなく、水を沸かす技術にあることが多い。

水沸かしを掌握し、茶味をさらに高める

水を沸かすことは一見簡単だが、実は良いお茶を淹れる鍵となる工程だ。次にお茶を淹れる時は、心を込めて水の音を聴き、水珠の変化を観察し、水の老嫩を感じてみよう。水の一沸を正確に掌握できるようになれば、同じ茶葉から全く異なる層と韻味を引き出せることに気付くだろう。

覚えておこう:水は嫩を要し老を忌む、一沸の水が最も嫩。水の音を聴き、蟹眼を見る、これが水の嫩を判断する最良の方法だ。この技術を掌握すれば、お茶を淹れる技術は必ずさらに向上する。


さらなる探求:水の使い方、注水技巧、茶器選びについてさらに知りたい方は、本書第七章「高山烏龍茶を美味しく淹れる方法」を参照されたい。お茶を淹れるすべての工程を全面的に掌握できるだろう。

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