両派の論争は絶えず
暑くなると、熱いお茶でも暑気払いができるのでしょうか?熱い茶を愛飲する人は「熱茶入口,讓心涼(熱いお茶が口に入ると、心が涼しくなる)」と言います。気温が高く体が熱い人は「暑い日には冷茶を飲んでこそ、暑気払いになる」と言います。体質が異なれば、冷熱への反応もそれぞれ異なります。
ただし「茶熱無功夫,冷後看師父(茶は熱いうちは技術がわからず、冷えた後に師匠の腕がわかる)」という言葉により、品茶で茶の良し悪しを探ることができます。
熱茶の香気密码
茶が熱に出会うと、内部の芳香物質であるアルコール類(Alcohols)、アルデヒド類(Aldehydes)、ケトン類(Ketones)、エステル類(Esters)、ラクトン類(Lactone)などが、温度とともに香味を放ち、嗅覚を茶の芳香の境地へと導きます。
よく「茶は熱いうちに飲め」と言われますが、品茶に最適な温度は人体にとって摂氏60度です。
冷茶擁護者の疑問
冷茶擁護者は手揺れ飲料や冷泡茶を愛用しています。果たして茶の添加味を飲んでいるのでしょうか?それとも冷茶で暑気払いができるのでしょうか?夏の暑気払い聖品として、熱茶を愛する人も冷茶を好む人も、茶の良し悪しを探るには温度が最も精確です。
緑茶、白茶、黄茶、青茶、黒茶、紅茶の六大茶類から、茶の天・地・人三大変因の優劣を飲み分けることができます。採摘時の天時晴日、茶菁に水分を含まず製成されて水味がないこと、優質な地理環境で栽培された茶は、土壌の養分が過度な施肥をされておらず、茶葉が優質な山頭気※を持ちます。さらに製茶師の「看茶製茶(茶を見て茶を作る)」の技術により、茶の発酵や焙煎が適切に行われます。そのため、異なる茶種や製造工程で達成される標準は、一杯の冷茶の中に答えを見つけることができます。
※山頭気:特定の山や地域の茶葉が持つ独特の風味や香り
茶は奥妙で複雑なため、「文章、風水、茶,懂得沒幾人(文章、風水、茶を理解する人は少ない)」という言葉があります。しかし、これは素人には理解しがたい言葉です。
最も実用的な茶の鑑別法
最も実用的な茶の鑑別法をまとめると、茶を熱く淹れた後に冷ましてから飲むことです。冷却した茶で、最後に杯底に掛香がない場合、冷茶の掛香は茶の芳香物質が非常に活発であることを示し、磁器の杯に香りが残留すれば優質な良茶です。
ただし「冷茶に触れるな」という説があり、これは一晩置いた茶を指します。茶が冷えると茶中に豊富に含まれる茶ポリフェノールが酸化しやすくなり、酸化後は茶水の色が濃くなります。この変化により茶の本質が変わるため、一晩置いた茶は飲まない方が良いという説があります。しかし一晩置いた茶は特に茶葉を茶湯に浸したままにしたもので、茶のタンニンが過度に溶出し、体寒者には不適切です。これは茶を熱く淹れてから冷却するのとは大きく異なります。
餐茶搭配の新発見
熱茶を冷ましてから単品で茶質を試すことで、料理との組み合わせで桃花林のような新たな味わいの開発が期待できます。
江浙菜の前菜である冷盤水晶餚肉※に熱茶を合わせると、肉凍が崩れて茶餐の美意を失い、美味の相乗効果も見られません。西洋料理のサラダや冷盤に熱茶を合わせると、例えばキャビア料理ではキャビアが茹で魚卵のようになってしまいます!
※水晶餚肉:豚肉を煮込んで冷やし固めた江蘇省の伝統料理
熱茶を温度を下げて飲む方法を餐茶に応用すると独特の魅力があります。茶を淹れた後、温度を異なる温度まで下げて食材と組み合わせることは、まるでソナタのように、料理と茶が互いに邪魔することなく、むしろ互いに味を競い合います。
大禹嶺高山茶※が冷えた後にキャビアと合わせると、キャビアが口に入った後に歯茎に唾液が湧き、キャビアの絹のような滑らかさがより滑潤になり、尾韻に唾液が湧きます。茶香とキャビアの綿密な香りに、シャンパンも東方茶の神奇な魅力に驚嘆することでしょう!
※大禹嶺高山茶:台湾の高山地帯で栽培される高級烏龍茶
無限に広がる可能性
夏の品茗で冷茶と食物を精心に組み合わせることで、楽しみが増えます。キャビア以外にも、食事の最後のデザートや中式の食後甜点も、茶と食物の交疊に期待が持てます!
熱茶品茗は高手が最も愛するもので、茶を淹れて冷却することには無限の広がりがあります。料理との組み合わせやお菓子との組み合わせ以外にも、「熱茶無功夫,冷茶看師父(熱いうちは技術がわからず、冷えた後に師匠の腕がわかる)」を茶の鑑定の後ろ盾として活用できます!