武夷岩茶を淹れるなら、まず朱泥壺(しゅでいこ)、次いで磁器製の蓋碗(がいわん)がおすすめです。それぞれに異なる長所があり、器を正しく選ぶことで、岩韻をより完全に引き出すことができます。

朱泥壺:茶の性質を最もよく引き出す

朱泥壺は、武夷岩茶の持ち味を最大限に引き出せる器として広く知られています。焼成温度が摂氏1200度以上と高く、きめ細かな土質と高い熱伝導性が、武夷岩茶の繊細な香りを効果的に引き出し、岩韻の表現をさらに豊かにします。

壺を選ぶ際は、平たい形のものが適しています。武夷岩茶は条索状の茶葉のため、縦長や球形の壺では底にお湯が残りやすく、酸味や渋みが出やすくなります。平たい壺なら茶葉が均一に広がり、注ぎ切りもすっきりとでき、岩茶本来の味わいをしっかりと楽しめます。

なお、朱泥壺は赤い顔料で染色した壺とは異なり、「外側が赤く内側が紫砂」という壺でも代用はできません。同じ量の茶葉を入れて朱泥壺と紫砂壺で並べて淹れると、茶湯を注いだ瞬間にその差は明らかです。

磁器製蓋碗:お茶の真の品質を確かめるのに最適

武夷岩茶の本来の品質を見極めたい場合は、磁器製の蓋碗がもっとも正直な器です。磁器の釉薬は香りを吸収しないため、お茶本来の風味がそのまま現れ、余分な味も本来の味も隠れません。お茶を選ぶ際の試飲に、目利きが必ず使う道具です。

蓋碗を使う際は、条索状の茶葉を軽く砕いてから六〜七分目まで入れ、お湯との接触面を十分に確保します。一煎目は蓋を軽く乗せて待ち、二煎目からは蓋で茶葉をそっと押さえると、味の出がよくなります。

飲み口の茶杯は薄手の磁器が最適

朱泥壺でも蓋碗でも、飲み口となる茶杯は薄手の磁器製がおすすめです。保温性はやや低くなりますが、茶湯が少し冷めることで岩茶の内に秘めた香りがより開きやすくなり、岩韻を最大限に感じることができます。

器選びは、岩茶を美味しく淹れるための土台です。正しい器を選ぶことが、武夷岩茶の世界への本当の入口となります。

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