凍頂烏龍茶の楽しみ方
凍頂烏龍茶は熱湯で淹れて飲むのが最適です。複数回の抽出で層次的な変化を味わうことができ、香りと味わいの移り変わりを堪能できます。100℃前後の熱湯を用い、磁器急須や磁器茶器で淹れるのが推奨されます。8煎以上繰り返し淹れることができ、一煎ごとに異なる香味を楽しめます。
適した茶器の選び方
凍頂烏龍茶を淹れるには、茶葉が十分に広がる丸型の急須が理想です。特に磁器急須や朱泥壺が最適とされます。凍頂茶は半球状に丸められており、しっかりと開くための空間が必要です。
磁器は凍頂茶特有の清らかな香りを最もよく引き出します。そのため台湾各地の品評会でも磁器茶器が使用されます。軽発酵茶は繊細で上品な香りを持ちますが、多孔質の陶器で淹れると香気を吸収してしまい、本来の香りを損ないます。
水と抽出技法
水は水道水を一晩静置して塩素を揮発させるか、良質なミネラルウォーターを選びましょう。湯を沸かす際は、最初は弱火、途中から強火にして、水泡が「蟹の目」のようになり流水音が聞こえる頃が最適です。最初の沸騰水は柔らかく、茶の旨みを最も引き出します。
注水時は勢いを持って一気に注ぎ、速度が不安定にならないようにします。浸出時間は秒数で固定するのではなく、自分の好みに合わせて調整します。凍頂茶の魅力は、一煎ごとに変化を見せる点にあり、まさに起承転結を味わうような茶の楽しみです。
品飲の層次体験
凍頂烏龍茶の真髄は、一煎ごとに重なり合う層次を感じ取ることにあります。
- 1〜2煎目:清らかな香りが際立つ
- 3〜4煎目:香気と滋味が調和の極みに達する
- 5〜6煎目:奥深い余韻が現れる
- 7〜8煎目:濃度は薄れるが、茶葉の純粋な本質が際立つ
茶湯は濃緑色で澄み渡り、透明感が強いのが理想です。香りは清らかで優雅、かつ力強く立ち上がり、味わいは鮮やかで甘みがあり、喉ごしは滑らかです。連続して味わうことで、凍頂茶の耐泡性と奥深さを体験できます。
茶を味わう環境と心構え
凍頂烏龍茶を味わうには、心を落ち着けて香味を感じ取ることが大切です。薄手の磁器茶杯を使うと香りが拡散しやすく、花のような香気の層次を堪能できます。一杯の茶湯には、茶葉選び・水・茶器・淹れ方すべての要素が調和しています。変化と趣のあるこの過程こそが、高品質烏龍茶の品茗の醍醐味です。