龍井茶は緑茶の一種で、不発酵茶です。「色が翠緑、香りが豊か、味が甘美、形が美しい」という四絶で知られています。

外形の特徴

龍井茶は扁平で滑らかな外形をしており、「雀舌」または「一旗一槍」(一芽一葉)の形をしています。特級龍井は茶葉が引き締まってまっすぐで、色は翠緑色です。その中でも獅峰龍井は天然の糙米色(薄黄緑色)を帯びており、他の産地の翠緑色とは明らかに異なります。

香りと味わい

龍井茶は清らかで高い香りが持続し、緑豆のような爽やかさや栗の香りがあります。味わいは爽やかで甘く、口当たりが柔らかく刺激がありません。「真の甘い香りは刺激的でなく、飲むと淡々として、まるで無味のよう」という特質があり、この「無味の味」こそが龍井茶の「至味」です。茶湯の色は嫩緑色で明るく、茶葉の底は細やかで美しい形をしています。

産地と摘採

龍井茶は「早摘み」で有名で、「三日早く摘めば宝、三日遅れれば草」と言われます。清明節前に摘採する「明前茶」が最高品質で、穀雨前の「雨前茶」がそれに次ぎます。西湖産区の獅峰、龍井、雲棲、虎跑などの地域で生産されるものが最も貴重で、中でも獅峰龍井が最高級と認められています。

製作工芸

龍井茶は手作業で炒製され、「青鍋、回潮、輝鍋」の三工程を経ます。「抖、帯、擠、甩、挺、拓、扣、抓、壓、磨」という十大手法を用いて、茶葉を扁平で滑らかな形に仕上げます。これには炒茶師の豊富な経験と卓越した技術が必要です。

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